埋葬形式の多様化で重要性が増している仏壇

⒈仏壇そのものを持たない傾向が強まりつつある

一昔前の仏壇のイメージは漆塗りで金箔がふんだんに使われているなど豪華な細工が施された大型の製品で、仏間の中心に据えられて重々しい存在感を放ち、家族に大切にされ敬われ続ける場となっていました。

近年では仏間どころか和室がない住宅も少なくなく、大小にかかわらず仏壇そのものを持たない傾向が強まりつつある状態も続き、今後もその流れが継続されるとみられていました。

それを変えたのが、ここ数年で増加が加速している樹木葬をはじめとする自然葬や合祀スタイルの永代供養墓といった埋葬形式の多様化で、葬儀のコンパクト化と共に主に都市部で顕著になっている傾向です。

少子高齢化社会が進むにつれて墓所の供養や管理で子や孫の代まで煩わせたくないと考える人が増え、個別の墓所を持たずに自然葬や合祀形式の埋葬を選ぶことで、墓参に行くというよりも自宅で供養することを選ぶケースが目立ってきました。

自然葬の中でも海に散骨する海洋葬の場合、墓参に行く先自体がなくなるということで、分骨したものをオブジェやアクセサリーに加工して自宅に置く人も少なくなく、近年では手元供養として散骨や埋葬をまったく行わないケースも出てきています。

高齢になって遠方に墓参に行くことができなくなり、先祖代々の墓所を墓じまいして分骨し、永代供養墓への改葬や散骨の上、手元供養を行う人も増えてきました。

⒉モダン仏壇の魅力について

そこで注目され始めたのがモダン仏壇と呼ばれるタイプの製品です。
マンションのリビングルームなど洋風インテリアにも違和感なく馴染むデザインという特徴を持っており、従来の伝統的な大型タイプの製品と違ってリーズナブルな価格帯であることから若い世代の購入者も増やしました。

>>安い仏壇専門店の光雲堂

インターネット通販ショップで気軽に比較検討して購入できることからも人気を高めており、スタイリッシュな洋風デザインの製品が年々増加しています。
チェストの上に置けるようなコンパクトな製品も多く、モダンタイプの製品に合うデザインのおしゃれな雰囲気の仏具も増えたことで、生前に自分自身でお気に入りの仏具を選んでおく人も出ているほどです。

カラフルなガラス製の仏具は若い女性からの人気も集め、これまで先祖供養に興味を持たなかった層も引き込むこととなりました。
インテリアにこだわりを持っている人の場合、モダンタイプの製品の中でもメープルやホワイトオークといった洋材の色合いにこだわって選んだり、伝統的な唐木仏壇のコンパクトタイプをアジアンテイストの部屋に据えるなどの工夫も楽しんでいると言われます。

命日やお盆・お彼岸の時にのみ墓参を行っていた従来よりも、供養が日常に馴染むようになったと考える人も増えたとされ、その傾向を歓迎するシニア層も少なくないと言われています。

その一方で古くなった旧来の大型製品を処分する人も増え、墓じまい同様親族間でトラブルが発生するケースも見られるようになりました。
特に寺院や仏具店に引き取ってもらう方法をとらずに粗大ごみとして処分してしまった後で、親族から非難されるなどの事態に陥りかねないことから、事前の相談を怠らず適切な方法で処分することが重視されています。

⒊手元供養は負担もなく自宅で供養することが可能

ネットショップから気軽に購入できるモダンタイプの製品の場合は、買い替えなども旧来の大型製品よりも容易にできる印象があり、その点も支持を集めているポイントです。

何より、故人の遺骨を加工してオブジェにするなどして自宅で供養する場合、故人と共に暮らした家で毎日念入りに拝むことができるというメリットがあります。

足腰が弱って遠方に墓参できない人の場合も、身体に負担をかけずに供養を続けることが可能で、手元供養を選択する人は今後さらに増えることが予想されています。

自然葬や永代供養墓、都市型納骨堂を選ぶ場合は従来の墓所よりは安価なものの、それなりの費用がかかることになりますが、手元供養の場合はその負担もなく自宅で供養することが可能になります。

⒋パステルカラーの愛らしいミニ骨壺なども登場している

故人を手元で供養したいという思いの前に、経済的な事情から手元供養を選ぶ人も増えつつあると言われていることから、増加傾向に拍車がかかることも考えられます。

供養の場としてのモダン仏壇も、コンパクトタイプよりもさらに簡易的なミニサイズの製品が登場するようになり、中にはフォトスタンド少し大きめになったような非常にシンプルな製品も出てきています。

手元供養で遺骨がある状態を怖がる人も少なくないことから、来客が多い住宅では人目に触れないところに祀るべきという声もありますが、手元供養の傾向が強まるほどに違和感を持たない人が増えることも予想されるようになりました。

遺骨や遺灰をダイヤモンドなど宝石に加工する技術も年々進歩し、パステルカラーの愛らしいミニ骨壺なども登場しており、見た目の雰囲気からも日常の暮らしにさらに違和感なく溶け込むようになっています。

仏壇の分野で進むイノベーションは、現代に生きる日本人の供養そのものの概念を大きく変えつつあると言えます。